tag:blogger.com,1999:blog-10466878263443872092024-03-09T02:40:38.412+09:00中洞正@牧場中洞牧場http://www.blogger.com/profile/11721142124066696988noreply@blogger.comBlogger4125tag:blogger.com,1999:blog-1046687826344387209.post-89543431110518192562009-03-10T11:12:00.007+09:002009-03-10T12:03:56.757+09:00家畜福祉と食の安全性食の安全性が各方面から注目を浴びている。特に工業的畜産に対しての不安は消費者にとっては大きいものがある。日本の畜産は農業基本法制定(昭和36年)以後、生産性向上(大量生産)をもって安価な生産物で内外価格差の是正をするという方向に大きくシフトした。そのために土地面積を多く有する放し飼い(放牧)を否定して、近代的な畜舎の中に出来るだけ多くの家畜を飼い、大量の生産をすことを絶対的使命としたのである。<br /><br /><br />しかし、その弊害が家畜の病弱化という形で発生している。特に密飼いによる家畜への強烈なストレスは多くの病気や伝染病の発生を見るに至り、家畜の寿命の短命化に繋がった。そして病弱化した家畜から生産された畜産物に対して消費者がその安全性に疑問を抱き始めたのである。<br /><br />1995 EUではすでに1999年5月のアムステルダム条約によって「動物愛護管理法」が制定され畜産動物に愛護という概念が持ち込まれた。人間ほどではないにしても血も流れ痛みや快感を肌で感じ、時には涙も流す。そのような感受性がある家畜たちを生き物らしく生活をさせるということは人間の道徳観の発露であり、そのことが家畜のストレスを軽減して、しいては健康的で安全な畜産物の生産につながり消費者が望む安全性の担保にも繋がるのである。<a href="http://1.bp.blogspot.com/_pooreKUUWNs/SbXV2NEll2I/AAAAAAAAAEE/zlN0Mtv4rQs/s1600-h/IMG_1878.JPG"><img id="BLOGGER_PHOTO_ID_5311386462751922018" style="FLOAT: right; MARGIN: 0px 10px 10px 0px; WIDTH: 270px; CURSOR: hand; HEIGHT: 191px" alt="" src="http://1.bp.blogspot.com/_pooreKUUWNs/SbXV2NEll2I/AAAAAAAAAEE/zlN0Mtv4rQs/s320/IMG_1878.JPG" border="0" /></a><br /><br />私は山地酪農という形で30年間、放牧酪農を経営してきた。1998年東北大学大学院農学研究科の佐藤衆介らは「搾乳牛の行動による低投入型放牧酪農の家畜福祉性評価」というテーマで著者の牧場を調査研究し、日本家畜管理学会で発表した。当時はまだ「家畜福祉」という概念すら一般にはなじみのないものであったが、その調査研究で高い評価を受けたことが今日まで放牧にこだわって酪農を続けられた一つの要素となった。<br /><br /> また、家畜福祉=放牧と言う価値観が生産物の付加価値となり、牛乳直売と言う業界では稀な経営で今日まで酪農経営を維持できたのである。今後の日本酪農は、いたずらに大量生産に走らず健康的な飼育方法が「家畜福祉=放牧」という概念とともに日本酪農に新たな方向性を示すものとなろう。中洞牧場http://www.blogger.com/profile/11721142124066696988noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1046687826344387209.post-4474956785362238552009-03-10T11:00:00.005+09:002009-03-10T12:22:52.595+09:00林業×酪農=森林酪農<div><div>いま、日本酪農界は存亡の危機に立たされている。輸入穀物飼料の高騰、牛乳の消費減退などにより、生産価格を上回る経費の増大で再生産すら出来なくなっている。この輸入飼料に依存した工業的酪農の問題を、私はすでに30年もまえから指摘してきたが、今まで関係者に伝え切れなかったことに忸怩たる思いがある。<br />日本の酪農は戦後アメリカの余剰穀物の輸入を前提に規模の拡大を行ってきたわけであるが、生産性の高い日本の国土生産を無視し、いたずらにアメリカの飼料に依存した結果、なるべくしてなった結果である。 </div><br /><br /><br /><div><a href="http://2.bp.blogspot.com/_pooreKUUWNs/SbXbQmSkmbI/AAAAAAAAAEM/KnnyoqhPTd8/s1600-h/IMG_1680.JPG"><img id="BLOGGER_PHOTO_ID_5311392413756201394" style="FLOAT: left; MARGIN: 0px 10px 10px 0px; WIDTH: 240px; CURSOR: hand; HEIGHT: 320px" alt="" src="http://2.bp.blogspot.com/_pooreKUUWNs/SbXbQmSkmbI/AAAAAAAAAEM/KnnyoqhPTd8/s320/IMG_1680.JPG" border="0" /></a> そもそも酪農は人間の食に供することのできない草などの植物を牛の介在で栄養豊富な牛乳を生産することに意義があるのであって穀物を与える必然性はないのである。<br />日本国土の70%の山々が豊富な植物を抱えながら放置されている状況にある。この豊富な植物(草、木の葉、笹など)が牛の餌になり輸入飼料に依存した酪農からの脱却が可能となる。牛が森林の下草を食べながら森林を管理することで林業施行の軽減となる。<br /></div><br /><br /><br /><div>日本の林業も輸入外材に押され壊滅的状況にあり、山々は荒れ果て松くい虫、倒木、つる植物の繁茂、など用材としての価値さえ生み出されなくなってきている。今後、外材が尽きることなく輸入が続くと言うことはあり得ないことである。<br />そのような中、国内の木材の生産は30~50年と言う長いスパーンで考えなければならない。このことは輸入がストップした段階で手を打っても遅いのであり、現時点から早急に森林の管理をする必要に迫られている訳である。<br />しかし、現時点で森林を管理をしても、当然のことながらそこからは収入を得ることは出来ない。30~50年後のためとはいえ現時点での収入がなければ森林の管理をしようとする人はいないのが当然である。<br /></div><br /><br /><a href="http://1.bp.blogspot.com/_pooreKUUWNs/SbXcffa84dI/AAAAAAAAAEc/alsf7fZPfiI/s1600-h/IMG_1101.JPG"><img id="BLOGGER_PHOTO_ID_5311393769121964498" style="FLOAT: right; MARGIN: 0px 0px 10px 10px; WIDTH: 240px; CURSOR: hand; HEIGHT: 320px" alt="" src="http://1.bp.blogspot.com/_pooreKUUWNs/SbXcffa84dI/AAAAAAAAAEc/alsf7fZPfiI/s320/IMG_1101.JPG" border="0" /></a><br /><div> そこで森林に乳牛を放牧して牛乳の生産で日々の収入を求め、牛の採食による下草刈り(舌草刈)を活用して森林を管理するわけである。牛の舌草刈で整地された森林は間伐、枝打ちなどの作業は非常にやりやすくなる。森林作業で最も重労働は下草刈りであるからこの作業を牛に代わってもらえば人間の森林作業は大幅に省力化できる。<br /> 酪農生産観点からみれば牛を放牧することで、餌の自給、糞尿処理作業の軽減、家畜福祉の向上に資することができる。自然な植物を豊富に食べることによって生産される牛乳や肉の安全性が確実に保証されるのである。</div><br /><br /><br /><div></div></div>中洞牧場http://www.blogger.com/profile/11721142124066696988noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1046687826344387209.post-51684874782850310782009-03-10T09:44:00.002+09:002009-03-10T10:58:36.050+09:00<a href="http://2.bp.blogspot.com/_pooreKUUWNs/SbXI473LzJI/AAAAAAAAAD8/-a5n6VjtFkk/s1600-h/IMG_2365.JPG"><img id="BLOGGER_PHOTO_ID_5311372216020749458" style="FLOAT: left; MARGIN: 0px 10px 10px 0px; WIDTH: 320px; CURSOR: hand; HEIGHT: 240px" alt="" src="http://2.bp.blogspot.com/_pooreKUUWNs/SbXI473LzJI/AAAAAAAAAD8/-a5n6VjtFkk/s320/IMG_2365.JPG" border="0" /></a><br /><div></div>中洞牧場http://www.blogger.com/profile/11721142124066696988noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1046687826344387209.post-90810495158813856722009-03-10T08:56:00.001+09:002009-03-10T09:10:03.927+09:00林業と共生する酪農いま、日本酪農界は存亡の危機に立たされている。輸入穀物飼料の高騰、牛乳の消費減退などにより、生産価格を上回る経費の増大で再生産すら出来なくなっている。この輸入飼料に依存した工業的酪農の問題は、著者はすでに30年もまえから指摘してきたが、今まで関係者に伝え切れなかったことに忸怩たる思いがある。<br />日本の酪農は、戦後アメリカの余剰穀物の輸入を前提に規模の拡大を行ってきたわけであるが、生産性の高い日本の国土生産を無視し、いたずらにアメリカの飼料に依存した結果、なるべくしてなった結果である。<br />そもそも酪農は、人間の食に供することのできない草などの植物を牛の介在で栄養豊富な牛乳を生産することに意義があるのであって穀物を与える必然性はないのである。<br />日本国土の70%の山々が豊富な植物を抱えながら放置されている状況にある。この豊富な植物(草、木の葉、笹など)が牛の餌になり輸入飼料に依存した酪農からの脱却が可能となる。牛が森林の下草を食べながら森林を管理することで林業施行の軽減となる。<br />日本の林業も輸入外材に押され壊滅的状況にあり、山々は荒れ果て松くい虫、倒木、つる植物の繁茂、など用材としての価値さえ生み出されなくなってきている。今後、外材が尽きることなく輸入が続くと言うことはあり得ないことである。<br />そのような中、国内の木材の生産は30~50年と言う長いスパーンで考えなければならない。このことは輸入がストップした段階で手を打っても遅いのであり、現時点から早急に森林の管理をする必要に迫られている訳である。<br />しかし、現時点で森林を管理をしても、当然のことながらそこからは収入を得ることは出来ない。30~50年後のためとはいえ現時点での収入がなければ森林の管理をしようとする人はいないのは当然である。<br /> そこで森林に乳牛を放牧して牛乳の生産で日々の収入を求め、牛の採食による下草刈り(舌草刈)を活用して森林を管理するわけである。牛の舌草刈で整地された森林は間伐、枝打ちなどの作業は非常にやりやすくなる。森林作業で最も重労働は下草刈りであるからこの作業を牛に代わってもらえば人間の森林作業は大幅に省力化できる。<br /> 酪農生産観点からみれば牛を放牧することで、餌の自給、糞尿処理作業の軽減、家畜福祉の向上に資することができる。自然な植物を豊富に食べることによって生産される牛乳や肉の安全性が確実に保証されるのである。中洞牧場http://www.blogger.com/profile/11721142124066696988noreply@blogger.com0